かつて､東北の地に「みちのくプロレス」がありました｡地方興行的な団体ながら､独自のファイトスタイルで一定のファン層に支持されています｡里村明衣子は､「みちのくプロレス」を母体として「センダイガールズプロレスリング」を立ち上げます｡それまでのイメージを刷新し､東北の地に女子プロレスの人気を根付かせました｡
東北とプロレス
みちのくプロレス
みちのくプロレスは､１９９２年東北に設立された団体で､創始者はザ･グレート･サスケです｡当初はサスケの手作り的な団体で､道場はサスケの家の納屋を使用していました｡ローカル的な団体ながら地域に密着し人気を博しました｡
所属選手はサスケ同様､軽量で､メキシコのルチャ･リブレを意識したファイトスタイルを展開します｡独自性があり､興行的に成功していたと言えます｡
新崎人生
サスケはみちのくプロレスで新崎人生と好勝負を演じました｡みちのくプロレスの前身ともいえるユニバーサル･プロレスから移籍した二人の戦いです｡
新崎は当初ヒールであり､四国遍路者をイメージしたキャラクターの強いレスラーでした｡四国初十八番札所をもじり８８試合目でサスケを倒すことを目標にします｡
２００３年にはザ・グレート･サスケの跡を継ぎ自らが､みちのくプロレスの代表に就任しました｡
里村明衣子
デビューまで
里村明衣子は中学生の頃から柔道で活躍していました。ただ､女子プロレスの存在は知らず、姉に連れられはじめて生のプロレスを観ます｡感激した里村は自分が女子プロレスを作ると決意したそうです。
豊田真奈美や井上京子のスタ－選手に憧れた彼女は、独自のトレーニングに明け暮れます。素晴らしい行動力ですね。
１９９４年に「GAEA JAPAN」の旗揚げを機にプロレス界に入ります｡ GAEA JAPANは元クラッシュギャルズの長与千種が設立した団体です。ショー的な要素は少なく､他の団体にあるようなアイドル路線はありません｡
１９９５年長与千種の付き人をしていた里村は､史上最年少の１５才での念願のプロデビューをはたします｡デビュー当初より､強気な里村は「所属選手が少ないのですぐにトップになれる」､彼女らしい､発言を残しています｡
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団体のエースヘ
身長も１６０センチ弱で小柄な里村は廻りから心配されつつも練習に励みます｡成果あってデビュー後の活躍は素晴らしく､新人らしからぬ試合内容に「驚異の新人」と呼ばれました｡
やがて､里村明衣子とセンダイガールズプロレスリングは、東北地方に新たな風を吹き込んできます。これまで、東京や大阪といった大都市圏に偏りがちだったプロレス文化を、仙台を拠点にすることで地域の若者たちにも触れやすくしています。ただ闘うだけでなく、地域社会との結びつきを強め、その魅力を広く伝える活動も重要な要素となっています。
長与千種に後継者指名され団体のエース候補をとなった里村は､強豪レスラーと対戦を繰り広げます｡宿敵のデビル雅美に勝利､その後もアジャ･コングを倒しAAAWシングル王座を獲得します｡
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センダイガールズ
新崎人生との出会い
２００６年GAEA JAPANは解散しますが､みちのくプロレスの創始者新崎人生から声を掛けられます｡このことが「センダイガールズプロレスリング」を旗揚げするきっかけとなりました｡新崎人生は後にハヤブサと共に全日本プロレスに参戦し､メジャー団体でも活躍しています｡
好調な里村明衣子はエースとして活躍するかたわら､新人の育成にも尽力しています｡その後の活躍も目覚ましく､２０１３年女子プロレス大賞を受賞しました｡２０１５年には何と里村明衣子の切手が発売されます｡もちろんプロレス史上初の出来事ですね｡
少女の夢が叶う
２０１１年新崎人生から団体を譲り受け社長に就任します｡かつての１５才の少女の夢は叶いました｡はじめてプロレスを観た時に思った自分で女子プロレス団体を立ち上げる思いが現実化したわけです｡
彼女のひたむきな姿勢はコスチュームにも現れているようです｡赤のオーソドックスなものにこだわり髪型にもハデハデしさがありません｡デビュー当時から一貫したイメージを貫いています｡そのひたすらな思いが東北にプロレス団体を立ち上げました｡
まとめ
里村明衣子は、卓越した技術と強いカリスマ性を持つ選手であり、その存在感はセンダイガールズプロレスリング全体を引き上げました。彼女のリーダーシップの元、団体は数々の挑戦を乗り越え、その度に成長を遂げてきました。また、海外進出も果たし、日本国内に留まらず、世界中のファンにその名を知られるまでになりました。
これからも彼女たちは新たな挑戦を続け、さらなる高みを目指すことでしょう。ファンの期待に応えながら、新たなスター選手が誕生し、地域の活性化にも貢献していく姿は、ますます多くの人々に希望と感動を与えることでしょう。センダイガールズプロレスリングの未来に、さらなる発展と成功を期待しています。今も東北の地で頑張っている里村明衣子を応援しましょう｡
