ルチャリブレが日本に馴染まない二つの理由と昭和的プロレスの話

プロレス

ルチャリブレと言えば、華麗な空中技と独特のコスチュームが特徴で、メキシコで絶大な人気を誇るプロレススタイルです。しかし、この魅力的なルチャリブレが日本のプロレス文化においては、期待通りの成功を収めていないのです。

ルチャリブレが馴染みにくい背景には、日本人の気質が関係しているかもしれません。日本プロレスの黄金時代とも言われる昭和期には、ストロングスタイルにもとずいた戦い方が主流でした。この記事では、ルチャリブレが日本に馴染まない二つの理由と、昭和的プロレスの世界観について私独自の視点で考察しています。

日本のマット界とルチャリブレ

来日したメキシコ人レスラー

ルチャリブレとはメキシコのプロレスのことです。マスクマンが多いメキシコマット界ではさまざまなマスクやリングコスチュームで観客の目を楽しませます。また、派手な空中殺法を駆使しお客さんも一体となって会場が盛り上がる大衆的な娯楽です。

日本で有名なメキシカンレスラーは皆さんご存知の千の顔を持つ男 ミル・マスカラス です。1971年に初来日し当時は衝撃的なコーナーポストからのダイビングボディアタックで勝利を納めました。以後、チビッ子ファンのみならずプロレスファンの間で絶対的とも言える人気を誇っています。

以後に来日したメキシコレスラーの活躍ぶりはどうでしょう?弟、ドス・カラスが兄ミル・マスカラスとのタッグでそれなりに活躍したものの日本で成功したといえるほどのレスラーが見当たらない気がします。

たとえば メキシコだけでなくアメリカマット界でも活躍した孤狼仮面こと エル・ソリタリオ を例に挙げます。軽量級の藤波辰爾とは好勝負を演じたものの、ストロングスタイルが主流の日本のプロレス界とは合わなかった気がします。

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日本の軽量級レスラー

日本にも軽量級で空中殺法を売り物にしたレスラーはいました。メキシコのルチャリブレ界で活躍した グラン浜田 です。小柄な体から繰り出される空中殺法は小気味よくファンの目を楽しませたものです。

その他にも、ヤマハブラザーズと言われた 山本小鉄、星野勘太郎 のタッグチームも小柄な体系を武器に活躍しましたが、前座的な立場にとどまっていた気がします。

マットの魔術師の異名をとるエドワードカーペンティア意識した 和性カーペンティアこと 寺西勇 は後に国際はぐれ軍団として新日プロレスに参加するなど、本来のファイトスタイルとはほど遠い戦い方を強いられたのが現状です。

日本人とメキシコ人の違い

ファイトスタイルの違い

そもそも日本の昭和のプロレスはストロングスタイルが王道です。体格的に大型のレスラー同志の戦いは迫力のあるものでした。とりわけ、ヒール役を演じる外国人レスラーと日本人でありながらも体型的に見劣りがせず堂々と相手をやっつけるストーリーにはファンが感動したものです。

そのような視点から比較したとき、空中戦を得意とし軽量級のレスラーがリング狭しと動き回るルチャリブレは基本的に相容れるものではありません。

気質の違い

メキシコのプロレス ルチャリブレも同様のストーリーがありヒールを演じるレスラーにベビーフェイスと言われる善玉のレスラーが勝つのがお決まりのパターンであるはずです。

しかしながら、軽快な空中殺法で相手を倒すルチャリブレと反則攻撃にも堪えながら最後に相手を倒す日本のプロレススタイルには国民的な気質の違いを感じます。

特に昭和期のプロレスとは、外人レスラーが凶器をとりだしその攻撃に耐えた後、最後に逆転し日本人レスラーが勝利することに観客は酔いしれました。

まとめ

今回の記事では、日本においてルチャリブレがあまり馴染まない理由について掘り下げました。まず重要なポイントとして、日本人とメキシコ人の間に存在する文化と気質の違いがあります。ルチャリブレ特有の派手なパフォーマンスやマスク文化、ストーリーテリングはメキシコの風土と非常に密接に結びついており、日本文化とは異なる要素です。

また、日本のプロレス文化が既に深く根付いていることも影響しているでしょう。新日本プロレスや全日本プロレスといった日本独自のプロレス団体が長い歴史を持ち、多くのファンを獲得しているため、ルチャリブレの新しい要素が取り入れにくい環境が存在します。このような既存のプロレス文化との競合も、ルチャリブレが広がりにくい要因と言えるでしょう。

プロレスを観る際に注目されるポイントも異なると言えます。日本人ファンはストロングスタイルや試合の真剣さを重視する一方、メキシコ人はエンターテインメント性や華やかさを楽しむことが多いです。これらの違いが、ルチャリブレの魅力を日本で理解しにくくしていると言えるでしょう。

総じて、ルチャリブレが日本に馴染まない理由は、多様な文化と気質の違い、既存のプロレス文化との競合、日本人ファンの嗜好の差異など、複数の要素が絡み合っています。理解と普及には時間とさらなる共通点の発見が必要かもしれません。

メキシコのルチャリブレが日本のプロレス界に馴染まなかった理由とは、上記のようなファイトスタイルの違いとともに、 本来が陽気なメキシカンと生真面目な日本人の気質に違いがあったのではないでしょうか?

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